同一テーマにおける3つの変奏「てがみ」/すいせい
丘の上には公園があり
たくさんの日曜日が植わっている
真っ白な小さな手が花のように開き
その上に我が物顔で日曜日が
乗っている
自転車を押して登らなければいけない
花梨がまだ実を手放さないで
雪混じりの風に震えている
おなじ風景がまぼろしのように
ぶらさがって
太陽があがると溶け出し
黒い黒い土に吸われていく
ごとりと音がした
父と同じ顔をした
花梨がおちた
たくさんの日曜日が泣いている
丘から転がりおちた父はその
香りだけ残っているようで
むずかる
日曜日がゆっくりと握りつぶされていく
その先には水門があるのだ
そこにも小さな手が咲き
抱きとめ
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