恋人たちってみんなどこか苦しそう/viraj
それを救済する白魔術師の姿が霊視された。
きっと、君は、いまもここにいるんだね。
いつも同じ場所に帰ってくる。
あの時を越えた今、ここに。
純白の空間にただ一人、自分だけが取り残されて、
それが不思議に寂しさやネガティヴさから解き放たれていて、
ただ、一夜の夢のように、すべてがしられていて。
しらないように見えて、すべてをしっていて。
愛に狂った二人を、冷めた目で見る化石のような老人は、
人生におけるはかない絶頂と、叡智との対決のようであった。
私
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