時々、思うこと/番田 
 
しかし、アメリカを遠ざけることが近づけることになるのかどうかは、想像してみてもわからなかった。


僕は5年ほど前に、湘南海岸の海の家にいた。景色の中にはないであろうものをたぶん、そこで、探していた。自分という人間が社会という巨大なカテゴリに受け入れられないのだということを思いながら、酒を飲んでいた。あまり、特に何の変哲もない味の焼きそばを、そして、食べていた。鏡の前でポーズを取る、ピンクの水着を着た女を、横目で見ていた。そして、足の踏み場もないほどに敷き詰められたワカメの感触の浜辺と、独特のデザインと緑色をした電車の中に踏み込んでいた。
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