落穂/道草次郎
 
変わらず髪をぼたぼたとつたう大粒の水、壊れたシャワーヘッド、それに付随するような壊れた時間、小説世界よりもずっと味気なく、ずっと鬱陶しく、ずっと気分に左右される意識の揺らめき、カフカ、かふか、かふか、かふかを読めず、ということは何ものも読めず、ということはということは煉獄とは、煉獄とはなにか、そればかりが頻りに気にかかり、脱衣所へ。右肩の大きいなホクロ、そこから毛が一本長くのびている、消失はこの毛の消失、消失は、、、虚無と口にするこの口すらケシサル。


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