落穂/道草次郎
 



「挨拶を」

海へ挨拶を南洋を人知れず漂う海月へ挨拶を鳥へ挨拶を今まさに巣立ちの雛へ挨拶をクローバーへ挨拶をかえりみられぬ三つ葉の小葉へ挨拶をその角へ挨拶をその角を右へ曲がって挨拶をしあわせへ挨拶を躊躇わずしあわせへ挨拶を昨日へ挨拶を一敗地に塗れた昨日へと惜別をその惜別を添えかかる今日へと挨拶を


「自分の頭を割りたくなったら思うこと」

この頭は大した頭ではないから
覚えさせたりうまく使わせたり
しないといけない
そんな頭がぼくはやはり大好きだ
大好きなとは大嫌いみたいなものだけど
つまり
ここにこういて
こうこうこうで
こういうことならば
こういう
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