かけらになる/
flygande
もうじき落ちる
椿の花を通り過ぎ
坂道を登り
暇な猫の
気まぐれな案内に導かれ
歩き着いた高台からは
あの海が見えた
時刻はほんの少し
橙の差した金色
バーテンダーの神様が
逆さまにしたカクテルみたいに
光も
雲も
混じり合うことなく
静かに沈んでいて
いつか
かけらになって
浜辺で出会えたら
水に濡れた
この冷たい
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