かけらになる/flygande
 
感覚


だったのかもしれないと


思った








かかとを引きずる


歩き方のせいで


跳ねた道の砂利が


わけもなく用水路に落ちる


鏡は揺れ


また立ちすくむ


畑の脇の


葉を落とした柿木の


向こうに広がる


冬の午後








この町はずっと


音がしている


だれが歌っている訳でも


ない歌

















  ねえ席が空いているよ


  だから座ろう



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