今朝のうた/二村体次
朝5時のバス停をゴミ袋がゆく
それはたまに人だ
紙やすりの這うような声で、暑いといったら
それはひとだ。
合皮ビニルのギュウタンコートが、皮脂でなまびかって
それはそれは暑かろう
もう世間は夏なのだ
それでもゴム手袋をしていれば、それはリサだ
おい漆喰ぬりこんだぺったりした顔 向けるなや
おれいくつキーホルダーもってんのしってんの
お前らしらんで ほんま、それは、
それも、リサだ。
わたしの話をしてもいいかな。
ぬるまったふるい珈琲は、誰かのはいった後の風呂みたいに思えない?
それとか
夜中にそらをみたら、空と雲が逆にみえたりもしませんか?
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