実感は理性的じゃない/
ホロウ・シカエルボク
どうにも、とかなんとか
もごもごと繰り返して
世界が終わるみたいな夜だなと思って、と
小さな声で言った
俺は仰向けになって
天井を見つめた
灯りはすでにしぼってあり
空間であることをやめたような素っ気なさがあった
世界が終わるみたいな夜か、と
奇妙なフレーズを反復した
お前は気が済んだのか
じきに寝息を立て始めた
遠くで泣声が聞こえる
でも気のせいかもしれない
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