詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
さくなったのかな。
捨てないで食べたのだ。
でも
最初は
やっぱり、あんまりおいしいとは思われなかった。
その味にだんだん慣れていくのだったけれど
味覚って、文化なんだね。
変化するんだね。
コーラも
小学生のときにはじめて飲んだときは
変な味だと思ったし
コーヒーなんて
中学校に上がるまで飲ませられなかったから
はじめて飲んだときのこと
いまだにおぼえてる。
あまりにまずくて、シュガーをめちゃくちゃたくさんいれて飲んだのだ。
ブラックを飲んだのは
高校生になってからだった。
あれは子どもには、わかんない味なんじゃないかな。
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