詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
 
、人間も
 おまえは捨てるんや。」
「人間の場合は
 ぼくが捨てられてるの。」
「いっしょや。」
「いっしょちがうわ。」
と言ったけど
もしかしたら
いっしょかもしれない。


二〇一五年一月二十六日 「カムフラージュ、ユニコーン、パルナス、モスクワの味」


「あっくんてさあ
 どうして
 そんなに言葉にとらわれてばかりいるの?」
「うん?」
「まるで言葉のドレイじゃん。」
「言葉のドレイ?」
「そだよ
 もっと自分のことにかまったほうがいいと思うよ。」
「自分のことに?
 ううん
 それで
 言葉にかまって
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