詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
かもしれない。夢。限りなく興味深い。その夢をつくっているのは、ぼくなのだろうけれど、起きているときに活動している意識領域の自我ではないと思っている。無意識領域の自我というと、記憶が意識領域とは無関係に結びつける概念やヴィジョンがあって、自我という言葉自体を用いるのが適切ではないのかもしれないけれど、きょうの体験は、その無意識領域の自我と意識領域の自我が、わずかな瞬間にだが、接触したかのような気がして、意味の不明な、つまらない夢なのだけれど、体験としては貴重な体験をしたと思っている。
二〇一五年一月二十四日 「吊り輪」
ぼくの輪になった腕に男が吊るされる。男は二人の刑務官によっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)