詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
なかった。これは起きて書かなくてはと思った。わけのわからない夢のほうがおもしろいからである。無意識領域の自我が出現間近だったような気がする。それでも、意志の力で、身体を起こして、目を覚まさせ、意識領域の自我にパソコンをつけさせたのだった。そう促せたのは、いくつかのぼくの自我のうちのどれかだったのだろうが、もちろん、それは意識領域の自我か、意識領域に近いほうの自我だったのだと思う。まだ無意識領域の自我にはなっていなかったと思う。いつもなら、こんなふうに無理に起きようとはしないで、その日に見た夢は、その夢の記憶を夜に書きつけて眠るのだけれど、夢の入り口から戻ってすぐにワードに書き込むのは、はじめてかも
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)