詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
かに現われた少女だったけれど、なぜか、いなくなって、さびしい。いい子だったのだ。高校生だと言っていた。どこかで見た子ではなかった。河原町にいっしょに買い物に行ったけど、「京都って、やっぱり、大阪よりダサイんじゃないかな。」と、ぼくが言うと、「そうかな?」って言って、店のなかに入って行った。けさ、駅まで見送ったけれど、そのまえに、自動販売機でジュースを買って、ふたりで飲んだ。その自動販売機って、おかしくって、買ったひとの名前が表示されるのだけれど、彼女の名前が出て、ふううん、こんな名前だったんだと思ったのだけれど、目がさめたら、忘れてた。おぼえておきたかった。なんていう名前だったのだろう。とてもかわ
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