詩の日めくり 二〇一五年一月一日─三十一日/田中宏輔
くの部屋に窓はない。ひさしぶりに、霊とまじわった。まあ、悪い霊じゃなくて、よかった。気持ちいいことしてくれる霊なら、いくら出てきてくれてもよい。ただし、タイプじゃなかったので、まえのように、ふとんの上から、重たいからだをおしつけてきてくれるようなオデブちゃんの霊なら、大歓迎である。も一度寝る。はっきり目がさめちゃったけど。寝るまえの読書が原因かな。じつは、ロバート・ブロックの『切り裂きジャックはあなたの友』のつづきを読んでいたのだ。『かぶと虫』というタイトルのエジプトのミイラの呪いの話を読んで寝たのだ。これが原因かもしれない。しかし、ぼくの言うことを聞いてくれた霊だったので、もしもこれが夢だったら
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