人間は気持ちが悪い/花形新次
生身の人間は気持ちが悪い
高校のときの
国語教師は定年間近の
婆さんだったのだが
いつも両手一杯に荷物を抱え
学校の行き帰りをフラフラしながら
歩いていた
その婆さんは俺の担任なので
身体のデカイ俺をみつけると
いつも呼び止めて荷物を
持ってくれと頼んだ
「いつも何持って来てんだよ
どうせ使いもしないのによ」
と文句を言いながらも
婆さんが大変そうだから
職員室まで運んでやっていた
婆さんの授業はワケわからないもので
真面目な奴は真剣に嫌っていた
俺は授業中はジャンプを読むか
将棋を指していたので
別に何とも思わなかった
そんな俺に
ある女生
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