野球場の夢/服部 剛
 
急事態宣言を待つニッポンの
霞がかった平和な午後の賑わいに
コロナ禍さえも夢のよう

  かたん! 

パパの手を解(ほど)いた、周が
ひと握りの勇気を出して
誰かが掘った穴に架かる
板のまん中に乗って、よたっと
一メートル先のフェンスの網に、掴まった 
(ときめく目線の先に
 女の子の微笑みが横切っていった…)

周よ、パパはな 
お前とキャッチボールをするのが
夢であるが

それがずーっと先の
明日であってもかまわない
もし、パパの夢が叶わなくとも 
お前は世界にたった一人の我が子だから

家に帰ったら、ママに宣言しよう

今年の目標
『〇・一秒のコミュニケーション』

パパとママと周が歩む
かけがえない日々の
キャッチボール 










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