音楽へのオマージュ(一部改訂・付け足し)/道草次郎
 
prologue「サティの波紋」

橘の香りする
枕もと
地球が訪ねきて
細いゆびを
こちらに突きだす

ティーテーブルで
フランネルの布がわらっている

(ちがう
(ちがう
(ここではないどこか

意味の底を
てくてく歩く幼子の
ポケットからはみだす
拳銃のような地勢

あるいは
濯がれた和音の
残響に似たうめき声が
たずねる場所を失くし


失くし
みずうみの上を漂っている



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G線上のアリア/J.S.バッハ/2008年10月31日

引延ばされ
世界の間
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