擬雨擬木化/水宮うみ
 
人ってことが僕というものの一要素に過ぎないように、
雨粒たちも、雨ってだけではないんだろうと思う。

木々を擬人化して考えるとき、
人も同時に木へ近づいて、人から少し離れていく。

人でいることに疲れたら、
自分自身を擬雨化や擬木化して、僕は見えない羽を伸ばす。
雨も同じように、ときどき擬人化したりして雨をやっているのかもしれない。

戻る   Point(7)