蕎麦ラプソディー/ブルース瀬戸内
 
蕎麦は空を見上げています
蕎麦は一年を振り返ります

良かったこと悪かったこと
価値基準を揺るがしたこと
明日が昨日みたいに思えて
前歩きが後ろ歩きみたいで
立体を平面で解説しながら
宇宙を歪に矮小化したこと
なんだか恥ずかしいのです
なんだか楽しくもあります

成長の途上にあるはずとか
未来の種まきを気取るとか
なんて浅ましいのだろうと
蕎麦は赤面してしまいます
精神的に真っ赤っ赤ですが
肉体的に蕎麦色を維持して
素知らぬ風体でいるのです

ツルツルっとすすろうとも
モグモグっと食べようとも
蕎麦は蕎麦でしかないとか
そんな次元では美学は廃れ
大い
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