詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
じる気持ちも、逆に誇る気持ちも感じませんでしたが
たぶん、若いときに聞かされていても、動揺はしなかったと思います。
そして、ぼくが三十代半ばだったか、後半くらいに出会った
青年のエイジくんが、高知県出身だったのです。
高知県高知市出身でした。
彼とのことも、いっぱい思い出されました。
ふたりでいたときのこと
ひとりひとりになって
相手のことを考えていたときのこと
楽しかったこと
笑ったこと
口惜しかったこと
悲しかったこと
さびしかったこと
そうだ。
親戚の家の玄関で靴を脱いだとき
自分の脱いだ靴を見下ろして
ああ
足がちょっ
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