詩の日めくり 二〇一四年十二月一日─三十一日/田中宏輔
 
んな

二〇一四年十二月二十九日 「小鳥」

 地面のうえに、ひしゃげてつぶれたように横たわっていた小鳥の骨が血と肉をまとって生き返った。小鳥は後ろ向きに飛んで行った。何日かして、ベンチのうえに置かれた鳥籠に、その小鳥が後ろ向きに飛びながら、開いた扉から入った。鳥籠を持ち上げて、一人の少年が後ろ向きに河川敷を歩き去って行った。

二〇一四年十二月三十日 「ぼくと同じ顔をした従兄」

小学校のときに、継母の親戚のところに一日、預けられたことがあるのですが
よそさまの家と、自分の家との区別がつかなかったのでしょうね。
なにをしても叱られるなんてことがないと思っていましたら

[次のページ]
戻る   Point(13)