190倍のパフォーマンス/イオン
「あぁ、やはりいいねこのクルマ」
「そうだろう」
「あぁ、でも国外逃亡した人の
資金が含まれているのは
納得いかないよね」
「それね、計算してみたんだ
捕まる前年の年収が19億円らしい
当時グループの年間生産台数が1千万台だから
ザックリ言うと1台から190円もらっている」
「えっ、190円かぁ
なんか、思っていたより安いな」
「そうだろう
それで気持ちが収まったと言うわけ」
「なるほど」
「でもね、計算して思ったんだ
同じグループで年収1千万のエンジニアは
1台から1円しかもらえないんだって
つまり、190倍の給料だよ
同じ勤務時間で
190倍のパフォーマンスは
ありえないだろう?」
「そうだな」
「創業一族ならまだしも
雇われトップで
190倍のプレッシャーを
ものともしないってすごいよな」
「それは誠実な人ではないからだよね
だからクーデターを起こされた訳だし」
「会社のハンドルよりも
クルマのハンドルを握る
でいいなボクは」
戻る 編 削 Point(1)