愛された過去は/由比良 倖
 
愛された過去は 風になったんだ

見つけることのできない 遠い風に

僕は思い出を 空に埋めよう


僕にはもう 何もない

確かにあったものが もう僕には……


宇宙にはいろんなかたちがある

光と影の交錯は

僕の描いたスクリーンなんだ


あの向こうにはきっと

たくさんの 悲しい記憶

そして喜びが 埋葬されている


そう

僕は死に続けている

だから今は笑っていたいだけ

それだけなんだ……
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