女王の結婚/チアーヌ
 
し、国の伝統は守っていかなければならないのです。女王になるべくして生まれ、育てられた女王様にとっては、商人の行動は国の根本を揺るがすことであり、そのことを思うとやはり商人との結婚は夢のまた夢でしかなかったのでした。
女王様は小間使いとの浮気の現場を取り押さえ、そのことを理由に商人を国外へ追放しました。

女王様は30歳を過ぎました。家臣からは結婚を勧められていますが、年を取り、ブスでデブの女王様は、もうすっかり恋や結婚への情熱を失っていました。
「ねえ、爺や。わたしは、どうしても結婚しなければならないのでしょうか」
女王がお庭のアヒルにエサを与えながらそういうと、爺やは、
「どうしても
[次のページ]
戻る   Point(6)