雷鳴/
椎名乃逢
熱っぽい頬を撫でてゆく
透き通った風を足元の
猫と一緒に浴びる朝
その風に行かないでとせがむ
不器用な子供みたいに
遠雷がどこかで鳴り響く
頑なな季節が少しほころびを見せた
きみが喉元に住まわしている雷が
昨日僕を引き止めたみたいに
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