わたし(たち)の午後/スローラーナー
一昨々日から左腕が痺れている すれちがうから すれちがうように 魂清めを遊んだのね わたしたちはこっち そうでないのはあっち ひえこちゃんズルしないで なんてはしゃいだフリをしながら 約束に遅刻しちゃう急がなきゃ お風呂にゆっくりと浸かったら 左腕の痺れが取れるかしら すぎさっていくから なにもかもが つや消しガラスが好きだって 火傷で爛れた顔でいうのね まるで生きているような声で そういったりするのね ときどき 思い出すよ 沈んでいくみたい あの頃の陽射し でも聞こえない わたし自分のことがいちばん 大事なの たとえばだし ぜんぶ 悪い夢 ぴちゃん ちゃぷん 魂尽きたひとびとの あいだを ぴちゃん ちゃぷん たどりなおすように 漕ぎぬけて わたし あっちにいけるかしら でも 左腕が痺れてるから ぬるい湯船のなかどこにも いけない。
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