愛のうた/星染
空が高くて嬉しかった、水がまずくて悲しかった、そういうことがひとつひとつ、分からなくなっていくのかな 指を怪我して巻いた絆創膏の中から流れ出る、色のない血液、透明な音域、任意のわたしと任意のあなたにだけ聴こえる歌 明日はお天気ですか はやく死ねと言ってくれませんか 合法的に、被害者でいたい 無知なこどものままでいたい
きっと触れられる、その胸に、そのひとみの光線に、いつか何光年も離れたあなたであっても、関係ない 発光しない星のこども、あなたの、最愛の下僕でいたい わたしの背中に生えた翼をつかまえて、展翅して、触れてうつくしいと言ってくれませんか 口ずさんでくれませんか 汚い部屋の窓の外から、
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