仕来りのように/
もちはる
ふんわりシャボン玉
虹をちょっとの間のせ
風のごきげんに
文句もなく
パッと消える
ひらりと落ち葉
表と裏が一枚になり
風のごきげんに
文句もなく
それぞれ最期の旅
夢を追いかけ
生き延びてきた
九十翁
仕来りのように
最期の息を出し切る
冬の夕暮れ
陽ざしが欲しくても
久しい付き合いなのに
待つことを許されず
薄情に沈んでいく
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