所詮、お前の歌なんか/月夜乃海花
所詮、お前の歌なんか
誰も聴いてないし、自己主張したところで
代わりは幾らでも既存の塊で
意味を考えて、その意味を理解した瞬間
あいつは川に飛び降りたのさ
所詮、お前の歌なんか
ありふれて居るからこそ、好きだわかる
と知らない、他人の自己主張に使用され
お前はただのありふれた素材でしかない
判ったところで空は仄暗く衒ってるんだが
所詮、お前の歌なんか
いつしか勝手に玉座に立たされて
殺された王のように、解釈という名の
咀嚼を受けて傷ついて消えちまった
歌のそのものの存在は忘れられて
歌が在ったという影が人に認定されたさ
所詮、お前の歌なんか
五月蝿いとも煩わしいとも思わないが
忘れるな、そのお前の最終着地点は
誰にも本当の意味で理解されることは無い
我々は影を見て、我々という影に挨拶して
勝手に傷ついて死んでいった
自分を投影したお前という名の自己は
最期に何を歌う?
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