可能なら雨上がりの空には理想的な美しい虹がかかって欲しい/こたきひろし
 
裸身が透けて見えてたのよ

こっちはまだまだ血気さかんで動物本能満載よ
いいおんなのそんな姿見せつけられたら
落ちついていられる訳ねぇよ

寒さなんかいっぺんに吹っ飛んでさ
訳がありそなそんな弱みにつけ込んだら何とかいけそな気がしてさ
男だったら誰だってそう思うだろうよ
思わない奴いたらそいつは役にたたなくなってるだろう
それともおんなには用なしなのかも知れないのだ

それはそれで何の偏見も差別意識も持ってはいないけどさ
俺はたまたまそうじゃないから体の血液熱くなって沸騰寸前になっちまった

不思議なもんだよ
おんなも初対面の俺にその気で近づいてきたんだよな
その場で直ぐにまぐわい始まった訳さ

お互い冷たい体をくっつけあってさ
燃え上がったのに
事が終わると
それから夢にも思わなかった事態になっちまった
おんなの可愛かった唇からよ
先の鋭く尖った牙があらわれたかと思ったら
俺の事頭から食べだしたのよ

それはまるで雌蟷螂が雄と交わってその後に雄を食べてしまう
習性と一緒だったな

意識はそこから先無しよ

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