雪の予感/道草次郎
 
地におちた落葉は、今頃、腐葉土になるために人知れず発酵熱を放っていることだろう。

そしてぼくは肉まんとホットコーヒーを買うのだ。デイリーの肉まんが好きだから。

店先にパンジーのプランターがあった。パンジーは元はスミレの花、強いんだから冬いっぱい楽しめるんだよなあ…、そんなことを考えて立ち止まっていたら、後ろから出てくる客の邪魔をしてしまいバツの悪い思いをしてしまう。

軽く謝るような素振りをし、そのまま車へと引き返そうとしたぼくの頬に冷たい雨がポツリと当たる。風もすこし冷たくなって来たようだ。予報には無いが、夕方から雪が降るかもしれない。


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