野積海水浴場/山人
 
 今月に入り、上司と二人だけの作業が続き、精神的に疲れていた。月火は休みだったが、あいにくの曇りと雨。家にいるのは退屈だし、出掛けた。
 もうすぐ慣れた職場を離れ、あたらしい人間関係の中であたらしい職種をこなすことになる。そのことや、あらゆることが身を縛り、とても家の中に居すわることは不可能だった。とにかく月曜は海が見たかった。
 弥彦スカイラインから七浦シーサイドラインに行こうと峠道を走ると、冬季閉鎖の看板が立てられていたがかまわず向かった。しかし、やはり通行止めの柵が施されていて、警備員がなにか言いたそうに誘導棒を手にこちらを凝視した。通行できなければ、何かを聞くまでもなく、そのまま広
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