詩の日めくり 二〇一四年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
つぎに驚かされたのが
吉田 満さんたちの『手』でした
画面を見ると
ぐにゅっと手がでてきて
ぼくの手をパチンってしばいたのです
それも一本の手ではなく
何十本もの手で

びっくりして画面を見ると
パソコンのスピーカーから「ナンじゃ、ワレッ」という怒鳴り声の合唱が聞こえたので
蹴りつけて踏んづけてやりました
ぎゅっ、ぎゅって踏んづけてやると
吉田 満さんたちの手はおとなしくなりました
つぎに驚かされたのは
吉田和樹さんの『ぺんぺん草』でした
画面を見ると
床一面にぺんぺん草が生えて
ぼくの部屋が河川敷の見慣れた景色になりました

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