詩の日めくり 二〇一四年十一月一日─三十一日/田中宏輔
顔になる病気がはやっているそうだ
大陸のほうから
海岸線のほうに向かって
一挙に感染区域が拡がっていったそうだ
きのう
冷蔵庫を開けると
卵のケースに入れておいた卵が
みんな
人間の顔になっていた
すぐにぜんぶ捨てたけど
一個、割ってしまったようで
きゃっ
という、小さな叫び声を耳にした気がした
こわくて
それから残りの卵はそっとおいて捨てた
二〇一四年十一月二十七日 「素数と俳句/素数と短歌」
ふと思ったのだけれど、俳句の5・7・5も、短歌の5・7・5・7・7も、音節数の17と31って、両方とも素数だよね。ただそれだけだけど。1
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