悲しみは理由を求めている/ただのみきや
最悪について
第一に
記憶と紐付く負の感情一色に染まった景色を満喫しながら
自ら最悪だと帰結する狭く閉ざされた思考の環状線を延々
巡り続ける一人旅
第二に
自覚のない最悪人間が身近に存在し積極的に向こうから
関わって来てどうにもそこから逃げ出せないという状況
第三に
純粋に肉体的な最悪の状態
病や虐待拷問などによる苦痛 強度の二日酔いも含む
第四になによりも最悪なのは
心当たりがまるでなく自分でも理由のわからないまま
漠然と死にたくなるほど全てが最悪に思えて仕様がない状態
第五に
慣用句として「最悪」あるいは常套句としての「死にたい」
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