詩の日めくり 二〇一四年十月一日─三十一日/田中宏輔
 

ふたりで爆笑した。
数年前のことだった。
もうふたりのあいだにセックスもキスもなくなってた。
ちょっとした、おさわりぐらいかな。
「やめろよ。
 きっしょいなあ。」
「なんでや?
 恋人ちゃうん? ぼくら。」
「もう、恋人ちゃうで。」
「えっ?
 ほんま?」
「うそやで。」
うそやなかった。
それでも、ぼくは
i think of you.
i cannot stop thinking of you.
なんもなくなってから
1年以上も
恋人やと思っとった。

二〇一四年十月六日 「それぞれの世界」

ぼくたちは
[次のページ]
戻る   Point(12)