つばめ/草野大悟2
 
  いつだって。

……「海を見たいのかな、とおもって」…   
   蟻地獄の毎日が産む狂おしさか、
   気まぐれなひとのきもちの重さか、
   それとも
   消えていく自分への恐怖か、
   ときおり、暴風雨となって荒れ狂う、
   いとおしさ。
        
夏祭りでにぎわうふる里と
よみのくにとを
とわにいきかう
菜の花のにおいの
あなた、
つばめよ。 

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