12.3 朝のメモ/道草次郎
 
けの玩具の人形がこの惑星の地平線と水平線を埋めつくし、なおかつ空に回転する天体の全部とその間に横たわる真空空間の全間隙にも大小様々なゼンマイ仕掛けの玩具の人形が溢れかえり、互いのことを予め定められた軌道に沿って認識し合う時、その認識とは一体なんだろう。


「プラス1」

右目で見る世界と左目で見た世界は別々の世界なのに、両目でみると世界は1つになる。大多数の人は3つの世界を我がものとしている。イエバエの複眼は2000個らしいから、大多数のイエバエは2001個の世界の所有者である。トンボなら20001個。キュクロプス(単眼巨人)なら、2つの世界の支配者である。問題は、1つの世界の支配者が見当たらないことだろうか。ちなみにキュクロプスは初め、自分はたった1つの世界の支配者だと言っていたそうだが、きつくゼウスに叱責をうけ、それから2つの世界を有するようになったそうである。


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