スノーディストピア 〜穢れた民の逝き道〜(短編小説)/月夜乃海花
かつての人間の愚かな行為によって世界は変化した。植物も無くなり、常に雪が降るようになった。海は雪で埋まり、凍りつくようになり、いつしか、人類は半分以上いやそれ以上減少していた。そんな中、都市フリギスではとある工夫を行なっている。雪を利用してエネルギーを生み出しているのだ。
本来、自然エネルギーからの発電は効率が悪いため、推奨されないのだが人間にはもはや手段は残されていなかった。嫌なほど、大量に降り積もる雪を溶かして得られる雪エネルギーを用いて生きていくことを最期の人々は望んだのだ。都市フリギスは実際によく見ると塔構造になっており、上に行くほど大統領や市長などの上流階級の人間が生活している。塔の
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