淡哀しく雪が降る/塔野夏子
る
扉の向こうに しまい込まれた景色から
声がする (アヴァロンまでは何マイル) 淡哀しく
雪が降る 紫色の重い幕が ゆっくりと
降りてくる ログイン ログアウト 幾重もの
ログインとログアウトの狭間で 夢を剥がされた
意識の表面が 疼いている (どこかに
インすることは どこかから アウトすること)
淡哀しく雪が降る 剥がした夢の
うすい虹色の光は 少しずつ褪せて やがては
それも 雪が覆うだろう (アヴァロンまでは
何マイル) ログイン ログアウト 日々は眠り
その眠りから生まれた夢が またいつしか
意識の表面に 貼りついてゆくのだろうか
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