夕/
おろはげめがね
窓を開けて空を見上げる
東では 点々とした軽い雲が
西では茜に染まる分厚い雲が
それぞれの空を覆っている
足元を見る
今日届いた
ポルトガルの織物が
床に広がっている
朱と青と黄色と橙が
パッチワークのように
交わり寝そべる
手元には
グラスの中で
輝く宝石のような水
コーヒーが来るまでの
ひと時喉を潤す
手持ち無沙汰に
見慣れた自分の指を眺める
そんな風にしばらく
向かい合って沈黙を交わす
誰だって少しくらいは
汚らしくなりたいんだ
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