人宿り/後期
 
に鳴り響いたのを
聞いたような、聞かないような
ツンとした白い耳が僕の両脇で
とんがってた
思わず瞑った片目には
見る見る僕の肉塊から
鮮やかな色彩が溢れ出し
四方に細かな枝を作って
僕の新しい靴先まで
ゆっくり鮮色は辿り着いた
 
やんだなぁ
空を見上げると
綺麗な
晩夏の夕焼け
僕は彼女に会いに
地下鉄へ
足取りを軽くして
舞った
確率は100パーセント

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