詩の日めくり 二〇一四年九月一日─三十一日/田中宏輔
」
と言って、柴田さんに、ぼくの詩集を手渡されて、すると、柴田さん、一万円札を出されて、
「これ、買うわ。ええやろ。」
と、おっしゃったので、
「こちらにサラのものがありますし。」
と言って、ぼくは、リュックのなかから自分の詩集を出して見せると、マスターが受け取った一万円札をくずしてくださってて、
「これで、お買いになられるでしょう。」
と言ってくださり、ぼくは、柴田さんに2500円いただきました、笑。
「つぎに、この子の店に行くんやけど、いっしょに行かへんか?」
「いえ、もうだいぶ酔ってますので。」
「そうか。ほなら、またな。」
すごくあっさりした方なので、
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