白い、宵の口/
ひだかたけし
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右に掻き混ぜる
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからない
空間は
次第に重く澱んでいき
だらんと開いた手のひらに
粘りつくように定着する
存在する
はずのグラスを
失って
ひたすら
濃密な闇を
育んで
夜の沈黙を
誘って
真っ白な雪
のように
降り積もる
この全てが微分化されいく宵の口
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