返り討ちに合った復讐者/
ただのみきや
に
抉り合う形のままの
こころを捕まえてください
遠くへ渡って往く日まで
この血で養いたいのです
ぎゃあと鳴く
切望と失望のめくるめく
霧の朝
蝶葬にされた死体から
酸い果実が唖の脚を伸ばす
わたくし鴉には
余白がない
想いも願いも
返り血で汚れ
光の無関心へ
恨み言が刃こぼれする
測量師
幸福は泣き腫らした目
悲しみは削ぎ落とされた微笑み
あなたの頬 遠く
経緯儀を覗くよう
《2020年11月25日》
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