思い出したこと?/板谷みきょう
ボクは
母親に頼まれた「北海盆唄」の
一番だけを繰り返し唄い
そして
少年は
母親の指示に従って
ボクから教わったばかりの
日本のリズムをテーブルの端で
叩き続けてくれたのだ
即席のセッションに満足し
母親は夫と共に感嘆し
通訳を介して
母国で歯科医をしていることを
教えてくれた
少年には
感謝の気持ちで
前の月に
唄いに行った時
京都で買った「新撰組」の
羽織を
歯科医夫婦の息子に
プレゼントしたのだ
背中に「誠」の文字を見て
少年は
「マツーリ!」と
大声で言った
いや。
これは「祭」の法被じゃ無くて
「誠」と書いてる新選
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