どこまでも透明なルビー/アラガイs
年でわたしの知能を遙かに超えていた
( ケン、なぜか深い海の生物が行き交う夢をよくみるんだ )
1年前からそんなことをよく呟いていた
( 僕は母体というものを知らないからね。)
同じ顔を持ち寸分と違わない肉体を持ちながらみる夢だけは異なっていたのだ アラン
第一世代の記憶がどこまで遡るのか、わたしたちはまだ答えを見つけ出せてはいない
第二世代のクローンには人工母体という技術が添えられた
ときどき在りもしない神秘的な体験の夢を吐き出しては人間たちを戸惑わせている
燃える惑星の冷たい塵から造り出された透明なルビー
そろそろ時間だね。
赤茶色窓の外からエアーパーツの噴出する音が聞こえる 。
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