夜のとばりが降りる頃/板谷みきょう
した仲だけど
「あたし、やっぱり
本当の姿で
生きて行こうって決めたの。
みきょうさんには
色々、困った時に
相談にも乗って貰って
お世話になってますぅ?」
えーっ
全然気が付かなかった
知らなかったよ
それで今、何してるの?
「この近くのオカマバーに勤めてるの」
そ・それで
その胸はどうしたの?
「まだ、完全じゃないから入れてるの」
触ってもいい?
「いやだぁ?
やっぱり男なのねぇ?
…でも
特別よぉ?」
ボクは
地下鉄24条駅前の路上で
人通りの多いことも忘れて
胸を触り揉ませて貰った
長い睫毛に赤い唇
綺麗に化粧して
本当に
小林くんだとは
思えなかった
作り物のおっぱいを
揉ませて貰いながら
これからは、誘われても
一緒に銭湯には行けないなぁ
そう思っていた
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