かきもち/アラガイs
血を捨てる人もいれば血を拾う人がいる。
否定された/言葉は宝物
どちらにせよいったん保留してしまえば人間であることに違いはない。
休憩時間になれば袋からピーナッツを取り出してポリポリと囓る男がいた。
大木のようなガタイをした、殺気立つ栗鼠の眉尻が吊り上がる男だった。
豆のことは豆屋に聞けばいい
男は仕事を終え帰宅すると手摺りに紐をかけて頸を括っていた
真っ昼間だったが、未だに理由は謎のまま誰もその話しはしない。
それから遺体をみた者もいない。
他人の血をもらったので性格まで変わると期待したのが間違いだったよ
あれからどうも体調がすぐれない
あいかわらず夜は眠れない
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